窃盗(盗難)

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窃盗・強盗

窃盗とは

窃盗罪とは、他人の占有する財物を、暴行・脅迫の手段によらず、占有者の意思に反して窃取することによって成立する犯罪のことをいいます。
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合は、強盗罪となります。


法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。


刑法235条(窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

万引きや空き巣、置き引き、ひったくり、自転車泥棒、なども、すべて「窃盗罪」になります。
窃盗の対象となる目的物は「有体物」ですが、電気の場合も窃盗になります。


刑法245条(電気)
この章の罪については、電気は、財物とみなす。

財物が被害者の占有を離れていた場合には占有離脱物横領罪となります。




強盗とは

強盗罪とは、暴行または脅迫をもって、他人の占有する財物を強取すること、または行為者(又は第三者)の財産場不法の利益を得させるによって成立する犯罪のことをいいます。


法定刑は、5年以上の有期懲役です。


刑法236条(強盗)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

1項の「強取した場合」を「一項強盗罪」、2項の場合を「強盗利得罪」といいます。

例えば、タクシーを利用して支払いを請求された際に、暴行または脅迫を用いて代金の支払いを免れた場合等が「強盗利得罪」となります。


窃盗罪の実行に着手した者が、不法に得た財物を取り返されるのを防ぐため、又は逮捕を免れるため、もしくは犯人・犯行特定の証拠を隠蔽するために、その抵抗を制圧するに足りる暴行又は脅迫を加えると事後強盗(刑法第238条)となります。

暴行・脅迫によらず、他人を昏睡させて抵抗不能の状態にすることにより、他人の意思に反して、その占有する財物を盗取すると昏睡強盗(刑法第239条)となります。




親族間の犯罪に関する特例

親族間で発生した一部の犯罪行為またはその未遂罪については、その刑罰を免除(刑法244条1項)、または親告罪(刑法244条2項)とする特例があります。
親族相盗例といいます。


以下の犯罪行為とその未遂罪について、配偶者・直系血族・同居の親族の場合には、刑法第244条第1項により刑が免除されます。
その他の親族の間における犯罪行為とその未遂罪については、刑法第244条第2項により親告罪となります。

  1. 窃盗罪(235条)
  2. 不動産侵奪罪(235条の2)
  3. 詐欺罪(246条)
  4. 電子計算機使用詐欺罪(246条の2)
  5. 背任罪(247条)
  6. 準詐欺罪(248条)
  7. 恐喝罪(249条)
  8. 横領罪(252条)
  9. 業務上横領罪(253条)
  10. 遺失物等横領罪 (254条)
  11. ※脅迫罪や強要罪、暴行罪や傷害罪、強盗罪、器物損壊罪、等には本条の適用がありません。


刑法244条(親族間の犯罪に関する特例)
配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

この特例の存在理由としては、ローマ法の法諺である「法は家庭に入らず」の思想や、儒教的家庭観への、立法者の政策的配慮が大きく働いていると考えられています。


この特例が適用されるためには、目的物の所有者・占有者双方と行為者との間に「親族関係」が必要となります
(最高裁 平成6年7月19日 決定)


被害が親族でない第三者に及んだ場合には、その第三者(被害者)に対する犯罪行為は成立します。
また、親族でない共犯者には適用されず、その共犯者(第三者)の犯罪行為は処罰されます(刑法244条3項)。


母親の死によって生命保険の受取人となった未成年者の預金を、家庭裁判所から後見人に任じられた実の祖母(直系血族)と伯父夫婦(同居の親族)が横領するという事件につき、最高裁は、「未成年後見人は家庭裁判所から選任される公的性格を有するものであるから親族相盗例の適用はない」と判断しました。
(最高裁 平成20年2月18日 決定)。


事実婚(内縁)の配偶者が、親族相盗例における配偶者にあたるかという問題につき、最高裁は「免除を受ける者の範囲は明確に定める必要があることなどからして、内縁の配偶者に適用または類推適用されることはないと解するのが相当」として、事実婚の配偶者による窃盗には、親族相盗例を適用しないと判断しました。
(最高裁 平成18年8月30日 決定)。


「親族相盗例」類似の親族間の特例規定

(1)犯人隠匿罪・証拠隠滅罪
犯人・逃走者の親族が犯人の刑事法上の利益のために犯人隠匿罪・証拠隠滅罪を犯した場合に、刑罰を免除することができる(刑法第105条)。


(2)盗品譲受け等
配偶者との間又は直系血族、同居の親族若しくはこれらの者の配偶者との間で、盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって得たものを譲り受けた場合や、運搬、保管、又はその有償の処分のあっせんをした者は、刑罰が免除されます(刑法第257条)。





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