告訴・告発の基礎知識

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告訴・告発の基礎知識

告訴・告発とは

告訴・告発とは、捜査の端緒(きっかけ)の一種です。
捜査の端緒には、告訴・告発のほか、現行犯や通報、投書、被害届、その他、様々な種類があり、本来、捜査機関は、犯罪の疑いがあると思われる場合には、自由に捜査を開始することが出来ます。
もっとも、必ずしも、すべてにおいて捜査をする義務を負うものではありません。
ただし、告訴と告発については、その他の「捜査の端緒」と異なり、唯一、受理した場合には、捜査をして事件記録を作成し、検察庁に送付する義務を負うという点が、大きな特徴となっております。


捜査の端緒(きっかけ)


告訴とは

告訴とは、告訴権者(犯罪の被害者やその法定代理人等)が警察官や労働基準監督官などの司法警察員(捜査機関)または検察官に対し、犯罪事実を申告し、犯罪者の処罰を求める意思表示のことをいいます。


告訴権者

告訴を行うことが出来るのは、原則として、被害者本人になります(刑事訴訟法230条)。
被害者が未成年者の場合には親権者が、被害者が成年被後見人の場合は、成年後見人が告訴権者となります(刑事訴訟法231条1項)。
被害者が死亡したときは、被害者の配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹が告訴権者となります(刑事訴訟法231条2項)。
その他、死者の名誉を毀損した罪については、死者の親族又は子孫が告訴権者となります(刑事訴訟法233条1項)。
告訴は、委任された代理人によっても行うことが出来ます(刑事訴訟法240条)。
代理人による告訴については、委任状の作成添付が必要となります。


告発とは

告発とは、犯罪の被害者や犯人でない第三者が同様に犯罪事実を申告し、犯罪者の処罰を求める意思表示のことをいいます。


告発権者

告発に関しては、告訴と違い、誰でも行うことが出来ます。

刑事訴訟法239条1項
「誰でも、犯罪があると思うときは、告発をすることができる」

但し、親告罪については、告訴権者による「告訴」のみしか行うことが出来ませんので、「告発」をすることは出来ません。

親告罪とは、事実が公になることで、被害者のプライバシーが侵害されるなどの不利益が生じるおそれがある性犯罪被害の場合や、介入に抑制的であるべきとされる親族間の問題など、告訴がなければ公訴を提起することができないと定められた犯罪のことをいいます。

親告罪のうち、一定の犯罪については、告訴期間が「犯人を知ってから6ヶ月」とされています(刑事訴訟法235条1項)。

【親告罪の一覧】
●単独犯による強制わいせつ罪、強姦罪(刑法180条1項、176条、177条)
 ※告訴の期間制限なし
●名誉毀損罪・侮辱罪(刑法230条・231条)
●ストーカー規制法違反の罪(ストーカー規制法法13条)
●信書開封罪・秘密漏示罪(刑法135条)
●過失傷害罪(刑法209条)
●未成年者略取・誘拐罪、営利目的等略取・誘拐罪 、被略取者引渡し等の罪(同229条)
 ※営利又は生命若しくは身体に対する加害の目的の場合は、親告罪になりません。
●夫婦間や直系血族又は同居の親族以外の親族による、
 窃盗罪、不動産侵奪罪、詐欺罪、恐喝罪、電子計算機使用詐欺罪、背任罪、準詐欺罪、
 横領罪、業務上横領罪、遺失物等横領罪、私用文書等毀棄罪、器物損壊罪、信書隠匿罪
 (同法251条・244条2項・255条・264条)
 ただし、配偶者、直系血族又は同居の親族による窃盗罪、詐欺罪・恐喝罪は、
 刑が免除されるため、処罰されませんから、告訴することが出来ません。

  • ※「集団強姦」や「強姦致死傷」など、プライバシーの保護よりも処罰すべき必要性が高いものについては、非親告罪とされています。
  • ※「痴漢」など、都道府県の条例違反に該当する事案で、「強制わいせつ」に至らないものについても、他の性犯罪に比して、被害者のプライバシー保護の必要性が高くないため、非親告罪とされています。


公務員は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならないとされています。(刑訴法239条2項)


被害届とは

告訴と似たものとして捜査機関(警察署など)へ提出する「被害届」というものがあります。
被害届とは、被害を受けた犯罪事実の申告を行う点では告訴と似ていますが、犯罪者の処罰を求める意思表示までは含まれていない点が大きく異なります。
また、告訴の場合と異なり、受理をしても、法的には、捜査機関は捜査をする義務を負いません。


告訴と起訴の違い

告訴とは、犯罪の被害者等が犯人の処罰を求めて犯罪事実の申告を行うことです。
一方、起訴とは、検察官が国家機関である裁判所に対し、国家権力の発動たる刑罰を求めて訴えを起こすことであり、告訴とは、その前段階である捜査や起訴を促す意思表示のことです。
元来、捜査機関は犯罪の疑いがある事実を発見した場合(例えば傷害や殺人など)、告訴などを受けなくても捜査を開始することが出来ます。
しかし、犯罪の事実が警察当局へ知られていない状態である場合、または親告罪(名誉毀損罪や過失傷害罪、強姦罪など)の場合、告訴を受けてから捜査を開始するということになるわけです。
※親告罪のうち、性犯罪以外に関しては、告訴は犯人を知ったときから原則として6ヶ月以内に行わなければなりません。
告訴された者のことを、起訴をされる前は「被疑者」といい、起訴をされた後は「被告人」といいます。





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